年末の音楽特番に思うこと
日本レコード大賞が発表されたそうで。
今年の大賞は三代目 J Soul BrothersのR.Y.U.S.E.I.だったそうです。
この曲どっかで聞きましたっけ?全然記憶にない・・・
もうここ数年、いやもっと長い間かも知れないですが、レコード大賞と実態のかけ離れっぷりは酷いものがあります。
2000年以降の受賞者を見てみると、
- AVEX(EXILE系):計5回(EXILE4回、JSB1回)
- AVEX(EXILE系以外):計4回(浜崎あゆみ3回、倖田來未1回)
- キングレコード:2回(AKB48)
- ビクター:1回(サザンオールスターズ)
- トイズファクトリー:1回(Mr.Children)
- コロムビア:1回(氷川きよし)
- ワーナー:1回(コブクロ)
と、非常にあからさまな結果になっています。
なぜレコ大がここまで酷い状況になっているのか
そもそもレコード大賞は選考委員により選考されるわけですが、その内訳は新聞・雑誌メディア、JNN系列のテレビ局、音楽プロデューサーとなっているわけです。まあこんな構成ですから、当然色々なパワーバランスが関わってくるわけで、強い事務所が受賞するのは自然な流れと言えそうです。
ただ、それだけではなく、いくつかのルールがかなり足を引っ張っているようにも思えます。
- 対象:その年に発売されたシングルCD
もうこの時点で時代錯誤もいいとこですね。ダウンロード販売のみは対象にならず。今年大ヒットしたLet it goもシングルカットされてないので残念ながら対象外です。
- 授賞式に出演できないアーティストは対象外
例えば今年ファレル・ウィリアムスのHappyが大ヒットしたわけですが、当然日本のマイナーな賞のために来日するはずもなく。そりゃ内輪ばっかりになりますよね。
ちなみに有線大賞は?
実は同じくTBSが放送している年間大賞を決める「日本有線大賞」は、水森かおりさんの島根恋旅が受賞してます。
オリコン4位ということで、近年の演歌としては間違いなく大ヒットの範囲なんですが、これが大賞と言われると・・・・
で、この有線大賞なんですが、原則として有線放送国内シェア2位のキャンシステムのリクエスト数をベースにしているということです。国内シェア2位というと聞こえがいいんですが、1位のUSENのシェアは80%超。他にも事業者がいることを考えると、キャンシステムのシェアは高くて10%台後半。そんな調査対象で「有線大賞」を名乗るとは優良誤認なんじゃないの?と言いたくなるレベル・・・
今年実際にヒットした曲は?
CD&DLでーたが「2014年1番思い出に残っている曲」ランキングを発表しています。
松たか子のレリゴー「今年1番思い出に残った曲」第1位に - シネマトゥデイ
トップ5はこんな感じ。
1位「レット・イット・ゴー〜ありのままで〜」松たか子
2位「麦の唄」中島みゆき
3位「レット・イット・ゴー〜ありのままで〜」May J.
4位「GUTS!」嵐
5位「ひまわりの約束」秦基博
まあ、実態はこんなもんじゃないかなぁ、と思うランキングではあります。
ちなみに、レコ大受賞した三代目JSBは一応19位にランクインしてますね。
せっかくなんで、他の年間ランキングも。
オリコンシングル
オリコン年間 シングルランキング 2014年度 | ORICON NEWS
1位「ラブラドール・レトリバー」AKB48
2位「希望的リフレイン」AKB48
3位「前しか向かねえ」AKB48
4位「鈴懸の木の道で「君の微笑みを夢に見る」と言ってしまったら僕たちの関係はどう変わってしまうのか、僕なりに何日か考えた上でのやや気恥ずかしい結論のようなもの」AKB48
5位「心のプラカード」AKB48
まあ、なんというか、トップ10をAKB系7作、ジャニーズ2作、EXILE系1作という近年のオリコンらしいランキングになってますね。シングルCDはオマケじゃないと売れない、というのが如実に表れてます。
三代目JSBは30位ですね。
iTunes年間トップセラー:ソング
iTunesの年間ランキングは『アナ雪』が圧倒 | BARKS(公式じゃないです)
1位:「レット・イット・ゴー〜ありのままで〜(日本語歌)松たか子
2位:「ひまわりの約束」秦基博
3位:「Story of My Life」One Direction
4位:「レット・イット・ゴー」イディナ・メンゼル
5位:「Happy (from "Despicable Me 2")」Pharrell Williams
レリゴー2曲がトップ5に。アナ雪サントラがアルバムでも1位獲得してます。
かなり実態に近い気はしますが、iTunesで配信してないアーティストもまだまだ結構いるの実態だったりするわけで、これが全てと言い切れないのが残念。
こちらでは三代目JSBはランク外。
レコチョク
年間ランキング2014|音楽ダウンロードランキング レコチョク
1位「レット・イット・ゴー〜ありのままで〜(日本語歌)」松たか子
2位「ずっと feat. HAN‐KUN & TEE」SPICY CHOCOLATE
3位「レット・イット・ゴー〜ありのままで〜(エンドソング)」May J.
4位「春風」 Rihwa
5位「レット・イット・ゴー」イディナ・メンゼル
国内ダウンロードシェア2位のレコチョクのランキング。邦楽のカバー率は多分iTunesより高いはず。
トップ5にレリゴー3曲です。レコチョクといえば、3週連続レリゴーがトップ3独占というわけのわからない記録も出ていましたが・・・
レコチョクは10代・20代の女性がメインターゲットのサービスなので、iTunesとはまた異なる傾向が出ています。iTunesの結果と補完する形になりそうです。
ちなみに、こちらでの三代目JSBは26位。
USEN (J-POP)
2014 年間USENヒットランキング | USEN(有線)音楽放送 番組案内 | music.usen.com
- J-POP
1位「レット・イット・ゴー〜ありのままで〜」松たか子
2位「ひまわりの約束」秦基博
3位「にじいろ」絢香
4位「ラストシーン」JUJU
5位「Darling」西野カナ
シェア8割のUSENのヒットランキング。
有線放送のランキングとしてはこっちの結果が正確といえるでしょう。
街中で耳にした音楽、の実態とはほぼ一致するのではないでしょうか。
ここでもレリゴー1位。
ちなみに、有線大賞を受賞した水森かおりさんはこっちでは演歌ランキング27位。有線大賞の出来レースっぷりも、レコード大賞に負けず劣らず酷そうです。
三代目JSBは13位と意外に健闘しています。
やっぱりおかしいレコード大賞
こうしてランキングを並べてみると、アナ雪旋風の大きさと、レコ大のおかしさが浮き彫りになる結果となりました。
この辺の現実とのギャップをどうにかしていかないと、どんどん視聴率は堕ちる一方だと思います。
ひとまず、CDシングルのみという選考対象は早急に変えるべきですね。。。
レコ大以外の音楽番組
ミュージックステーションスーパーライブとか、HEY!HEY!HEY!の20周年特番とか、FNS歌謡祭とか一通り見ましたけど、見事に出演アーティストが同じようなアーティストばっかですよね。
しかもどこ見ても同じ曲歌うから、個性がなくなってしまう。
本当に音楽業界が沈んでしまっているのか、メディアに発掘する力がなくなったのか、個人的には後者だと思うのですね。
こういうのを見てるとテレビの時代ももう本当に先が見えてきてるなぁ、と感じてしまいます。
紅白は?
と書いてきた中で今晩は紅白です。
ちょっと紅白については書き始めると膨大になるのでまた機会があったら・・・ですが。
まあ、公表されている以外のサプライズも用意されているとは思うので、そこだけ期待しておきましょうか。