篠山紀信展 写真力〜THE PEOPLE by KISHIN〜

終了直前、ギリギリ滑り込みで見てきました。
全国巡回なので、東京ではとっくの昔にやってたのですが(汗
 
篠山紀信氏のポートレート写真を中心に、写真の持つ強い力「写真力」を問う、という内容。
テーマのとおり、非常に力のある写真が中心でした。
 
ところで、篠山紀信氏はTDRをテーマにして「MAGIC」、「New MAGIC」、「HAPPINESS」の3作品を発表されています。
で、個人的には紀信氏のこれらの写真に、これまで大きな違和感を感じてきました。
その違和感、なんだろうなぁ、と自問自答してみると、それらの作品には決定的に足りないものがあった。
それはディズニーテーマパークの主役であるべきゲストでありキャストが、一切その作品に写ってないこと、という結論に至りました。
たしかに、ディズニーテーマパークはキャラクターと出会うことができるし、世界観を究極に高めることで非日常な体験をすることができるわけですが、それはあくまで主役であるはずのゲストとキャストがいてこそ、なわけです。
それが、紀信氏の作品にはなかった。ものすごい違和感です。主役がいないのに、脇役であるはずのキャラクターだけがパーク内の色々な場所にいる。写真作品としての完成度は間違いなく高いんですが、パークってこうじゃないだろ・・・というもやもやとした思いがずっとありました。
 
が、今回の展覧会で数々のポートレートと並べてTDRの写真が置かれていた時にふと思いました。
紀信氏は、キャラクターを主役で撮りたかっただけで、別にTDRである必要はなかったんじゃないか?
あくまで主体はキャラクター。それを撮るためにたまたまTDRのパークが都合がよかったから使っただけで、キャラクターの魅力を存分に引き出せるのであれば、別にどこでも良かったんじゃないか、と。
そう考えると、今までの疑問が腑に落ちました。
ということで、また一度これらの作品を見直してみようかなぁ、と思います。