マイケル・ジャクソン THIS IS IT

見てきました。
マイケルが亡くなってしまって幻となった同タイトルのライブ。このライブのリハーサル映像で構成されたドキュメントがこの映画でした。。
まず、ドキュメントとして。ドキュメントって通常作り手が伝えたいことを伝えるために作られるのが常なんだと思うんだけど、この映画では「マイケルが伝えたいこと」が前面に出てたと思う。だから余計な映像が一切ない。だから全編がリハーサルやライブに挿入されるはずだった映像作品で構成されてる。これは、もちろんこの映画の監督がライブTHIS IS ITの共同制作者であったケニー・オルテガだったから成しえたことでもあったと言えるんじゃないかな。
ライブ映像としては申し分なし。むしろこの映画はドキュメントとしてではなくライブ映像として見るべきだと思う。ダンサーもバンドも超一級の中の超一級なメンバーが選ばれてる。ダンサーの選考のシーンが途中に挟まれてたんだけど、超一流のダンスでも華がないとダメなんだって・・・厳しい世界。でもそんなダンサーたちが息を切らして踊っているのに、歌いながら踊ってしかも息ひとつ切らさないマイケル。人間業じゃないよね。きっとマイケルにとって歌うこと、踊ること、そのものが生きることだったんだろうな。
そして、世界最高のエンターテインメントを作り上げる過程を描いたメイキングとしても。
作品に対して全く妥協しないマイケルの姿勢は、それが作品への、そしてお客さんへの愛が感じられた。1音1音。映像の1シーン1シーン。そこにかけるマイケルの姿勢は本当にそれだけでも十分に感動させられる何かがあったと思う。
挿入映像もすごかった。特にスリラーね。映画でも作るのかと思うほどの手の込みよう。しかし、まさかコンサート会場で流す映像で3Dまで取り入れているとは・・・
こんな徹底的に作りこまれたステージだからこそ、リハーサル映像だけで劇場での鑑賞に堪え得る映画が1本作れちゃうんだよね。
最後に、歌詞に字幕入れなかった日本語スタッフの英断に拍手。おかげで、目から入ってくる映像と耳から入ってくる音だけにじっと集中することができました。
ということで、なんかまとまりのない文章になってしまったけど、絶対に見る価値のある映画だと思いました。願わくば劇場の映像と音響で見ることをお勧めします。