トリノ・エジプト展

行ってきました。

イタリアのトリノ・エジプト博物館の3万点を超えるエジプト関連の所蔵作品の中から、約120点の作品が展示されてます。
10/4(日)まで、東京都美術館(上野公園内)にて。金曜夜は8時までやってます。
この後、仙台(10/17-12/20)、福岡(1/5-3/7)、神戸(3/20-5/30)、静岡(6/12-8/22)と全国をまわるそうです。
 
昨日は午後2時の段階で1時間待ちだったのが、今日は20分待ちとかなり待ち時間が少なかったので・・・
3時頃から2時間ほど、見てきました。
めちゃめちゃ混んでたけど、空いてるところから見ていって、後から見直すということをやって、全部の展示物をある程度しっかり見れました。
 
目玉はなんといってもアメン神とツタンカーメン王の像。
ツタンカーメンの父、アクエンアテン(=アメンホテプ4世)は神官からファラオに権力を取り戻すため、アテン神を唯一神とする一神教への宗教改革を行ったが、失敗。
アメン神が強い影響力を持つアメン信仰が復活するのだけど、この像は幼くして王となったツタンカーメンがアメン神への忠誠を誓うということを表現しているのですね。
アメン神の肩に手をかけるツタンカーメンはアメン神よりも小さく、これが忠誠を表しているとのことです。
宗教改革に関わったアクエンアテンから4代に渡る王は、歴代の王の名前を記した表に名前が記されていません。
ツタンカーメンもそのうちの一人で、この像からもツタンカーメンの名は消されてホルエムヘブの名が記載されているとのこと。
時代を経て研究が進んで様々なことが少しずつ解明されていって、ツタンカーメンがいったいどう生きたのか、ということもまた想像しやすくなってくるんですね。
考古学は本当にロマンにあふれた学問なんだと思います。
 
全体的に新王国の展示が多かったです。
トリノ・エジプト博物館では新王国第19〜20王朝時代に職人の町として栄えたディール・アル=マディーナの出土品を多く展示しているそうで、新王国時代のものが多くなるのは必然的。
さらに、職人の町ということで、作品に至る前のスケッチのような展示もあり、これは興味深かった。
 
他にも、ほぼ完全な形で残っているミイラや、死者の書がとても魅力的でした。
また、トリノ・エジプト博物館ではアカデミー美術賞を2度受賞しているダンテ・フェレッティ(アビエイタースウィーニー・トッド)が手がけた「彫像ギャラリー」という照明効果を活かした展示室があるそうですが、この彫像ギャラリーが今回の展示で一部再現されていたりもします。
 
全体的には非常に満足な内容でしたが、海のエジプト展に比較すると若干説明が少ない印象はありました。(カノポス壺やスカラベがどんな意味を持つのか、とか)
その辺は海のエジプト展を見てからの方が理解しやすいかとは思います。こちらは本日最終日でしたが。
沢村一樹による下ネタのない音声ガイドはそこそこ好評の模様です。
1500円の価値は十分ありましたかね。
できればもう少し空いていたであろう期間前半に行っておきたかったかな。