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見てきました。
マーク・ザッカーバーグFacebook共同創業者のエドゥアルド・サベリンから起こされた裁判と、ウィンクルボス兄弟から起こされたConnectU裁判を通じて、Facebook設立に関する人間関係をドラマ化した作品。
 
面白い映画だったとは思うんだけど、未解決の問題に対して脚色つけまくって公開するのは納得いかないかな。
ザッカーバーグがConnectUを盗用したかどうかについてなんだけど、正直ConnectUを使ったことがないのでなんとも言えないんだけど、FacebookがなぜMySpaceに圧倒的な差をつけて追い抜くことができたのかを考えるとただ単にコードやデザインだけの部分ではないと思うんだよね。とすると、また同様のSNSサービスであるConnectUがそのままサービスをリリースして成功したとは到底思えない。マークはFacebookを作るにあたって、ConnectUからヒントはもらったかもしれないけどそれがアイデアの盗用に当たるかと言われると非常に微妙なところだと思う。でもこの映画ではConnectUから盗用したとしたいみたいなんだよね。
 
問題は、これがどの程度しっかりした取材に基づいているかということだけど、そんなこと作品を面白くする上では関係ないのかな。この映画はエドゥアルド側への取材に基づく原作から作られていて、マーク側への取材は一切していないということ。
映画自体はマーク視点で進むのに、何故かマーク悪者、ショーン酷い人、っていう描かれ方になってしまっていたような気が。マークも結構酷い描かれ方してると思うけど、ショーンなんてそれ以上に酷くなかった?
実在の人物を実名で登場させてしまっている以上、その人達の名誉を最大限に尊重するべきではあると思うんだけど、そこが大きく欠落していたんではないかと思うんだよね。まあ当のマークがそのことについて気にするかどうかは別の話なんだけどw
 
でも一番問題だと思うのは字幕なのよね。
あれだけの台詞量に対してたったあれだけの字幕とか。聞き取れた範囲でもものすごい勢いで端折ってるのが解る程度に端折られてた。緻密な人間ドラマとかいう触れ込みであの台詞の端折り方じゃどこが緻密なのか全く解んないじゃん。
まあ、字幕量増やしちゃうと追いつけないのは事実だと思うんだけど。
字幕って一種のフィルターだと思うんだよね。字幕翻訳者がストーリーを読み取って、解りやすいように解説してくれるもの。だから独自見解の入りまくる戸田奈津子の字幕は嫌われる傾向に有るんだけど。
今回の字幕は松浦美奈さん。正直どこまでフラットな訳がされてるかは実際の原文と照らし合わせてみないと評価はできないんだけど、それでも情報量が大幅に減ってしまってることだけは確かなわけで。
もっと言ってしまえば、脚本や監督としては必要だと思って入れている台詞を字幕翻訳者が勝手に自分の裁量で削ってしまっているわけで。
やっぱり字幕なしで見られるくらい聞き取れないとダメだな、と痛感した次第です。
 
面白かったのはFacemashか。あれのどこに面白みを感じるかで多分属性がはっきりするんだろうなー。
あと、ビル・ゲイツの下りw
でもあれだけ専門用語が溢れて、わからない人退屈しないのかな。NapsterMySpaceだって知らない人の方が多いんじゃない?
字幕もそうなんだけど、正直この映画が日本でこれだけの評価を集めている理由がよくわからない。あちらの大学の仕組みだって全然わからないし、表層だけを読んで深いところまで読み取れずに面白いって言ってる人が多数なんだろうな。まあネットの映画評なんてそんなもんなんだろうとは思うんだけどねw
 
あとあまり関係ないけど、クレジットの曲がビートルズだったのが個人的にはとてもよかったww